オールカントリー
とは、全世界47カ国に投資する投資信託のことで、何種類か存在します。
その中で一番有名なのが、
「eMAXIS Slim 全世界株式」です。
新NISAの始まった今では
「S&P500」と人気ツートップといっても過言ではないほどの人気商品になっています。
そこで元証券マンの私が、
eMAXIS Slim 全世界株式について、
目論見書という「わかりにくい取扱説明書」をかみ砕きつつ解説します。
S&P500との違いも同時に理解できるのでぜひ読んでください。
参考:「eMAXIS Slim 全世界株式」目論見書
オールカントリー(オルカン)とは?
オールカントリーに限らず投資信託を知る上で
確認すべき重要なポイントは以下の3つです。
- どこに投資しているのか?
- 今までの運用実績はどうか?
- 手数料はどれくらい取られるのか?
ではそれぞれ見てみましょう!
どこに投資しているのか?
全世界株式という名前の通り、
全世界の47カ国に投資している商品になっています。
ただ、よく見ると
その9割が先進国で、6割以上は米国に投資しています。
米国中心に先進国に投資したい人
向けの商品だと言えます。
実際の組み入れ銘柄(投資信託を構成する銘柄)は以下の通りです。
米国の有名企業が並んでいますね!
オルカンは全世界に分散投資だから、
米国が危なくなっても大丈夫ですよね!
という内容をたまに見かけますが、
これに関しては全然そんなことありません!
上位をこれだけアメリカ企業が占めているので、
オールカントリーも
米国と運命をともにする商品になっています。
米国のみの商品よりは多少リスクが小さい程度と思ってください。
ただ、米国が危なくなるような状況なら
他の国の方が危ないはずなので安心してください!
今までの運用実績はどうか?
投資信託を買う上で一番大切な部分です。
2018年からの5年半で約2.5倍になっています。
2020年のコロナショックで大きく下げてはいますが、
基本的には右肩上がりの優秀な商品と言えます。
手数料はどれくらい取られるのか?
- 購入時手数料は買うとき
- 信託財産留保額は売るとき
にそれぞれかかる手数料ですがどちらも0です。
実際に払っている手数料は
- 運用管理費用
- その他の費用・手数料
の部分ですが、
これは見えないところで勝手に取られている手数料です。
この手数料が引かれた後の数字が基準価額として表示されます。
手数料が引かれた後の数字で「5年半で2.5倍」なので
そこまで気にする必要はありません。
ただし、一般的に手数料が多いと儲けがでにくいので
一応確認はしておくと運用管理費用が0.05775%
これは他と比べても相当低いです。
手数料面で見てもオールカントリーは優秀だと言えます。
総合評価
- どこに投資しているのか?
- 今までの運用実績はどうか?
- 手数料はどれくらい取られるのか?
この3つを目論見書を見ながら確認しましたが、
総合的にとてもよい商品だと言えます。
投資初心者はもちろん、
中級者以上の方でも資産の一部を充てる価値があります。
オールカントリーが人気なのもうなずけます。
中級者以上であれば、
投資方法は色々あって好みで変えると良いですが、
投資初心者にオススメなのは「積立」です。
投資が成功する確率が大幅に上がるうえに、
変動を気にする必要が無いのが大きなメリットです。
オールカントリーとS&P500の違い
オールカントリーとS&P500の2銘柄は
よく比べられます。
どちらに投資するか迷う方も多いので、
実際のデータで比べてみます。
S&P500はオールカントリーと同じeMAXIS Slimの商品のデータです。
S&P500の投資先
S&P500は米国100%の商品です。
オールカントリーよりは米国に特化した商品だと言えます。
しかし、
先ほどのオールカントリーの投資先と比べてみると
上位10銘柄のうち9銘柄が順位まで同じです。(8位以外)
比率は違いますが、
特に上昇を期待して組み込んでいる企業は同じということです。
<参考:オールカントリーの投資先>
S&P500の運用成績
端的に言うなら、
オールカントリーとほとんど同じ動きです。
先ほど言ったように、
主要な株式は同じなので当たりまえのことではあります。
- 始まったタイミングの差
- 細かな銘柄の違い
で多少S&P500の方が良い動きをしていますが、
この程度の差であれば優劣をつけることはできません。
<参考:オールカントリーの運用成績>
S&P500の手数料
手数料に関しては、
- 運用管理費用以外は同じ
- 運用管理費用はS&P500の方が約0.04%高い
気にするレベルの違いはありません。
実際、S&P500の方が増えていますし、
どちらも手数料は低い部類になります。
結論
オールカントリーとS&P500を比べた結果
あまり変わりません!
似たもの同士なので、
どちらを選ぶかは正直好みの問題です。
今後どちらの運用成績が良くなるかは分からないので、
迷う方は半分ずつ持つのが一番無難でオススメです。
まとめ
オールカントリーとは何かについて
S&P500との違いにも触れつつ解説しました。
投資すべきよい商品になっていますので、
しっかり理解して投資してみてください!
既に投資している方は安心して保有し続けてくださいね。
他にも記事を書いているのでぜひ覗いてみてください。
投資に関してはこちら。
⇒FXが胡散臭いと感じるあなたへ-その理由と元証券マンの評価
⇒【元証券マン監修】知らないと損する!投資信託の注意点5選