投資商品に「投資信託」というものがあります。
証券マンとして業務を行っている中で、
株の次に取り扱うことが多かったのがこの「投信」でした。
投資家の方からするとなじみ深い商品だと思います。
ただ初めてやってみようと思ったら、
わからないことが多すぎてなかなか手が出せないのではないでしょうか?
そんな方々のために「投信」を簡単に理解できる記事を作成しました。
お客様や友人からよく聞かれる疑問を6つにまとめ、
それを解決する形で投資信託というものをわかりやすく解説していきます。
この記事を読めば、「投資信託」というお金を増やす武器を1つ習得することができます。
では順番にQAにお答えしていきます。
Q1 そもそも投資信託って何?
A.「投資を信じて託す」の文字通り、
「お金を預けると、預かった会社が代わりに増やそうと投資してくれる」
というのが投資信託という商品の本来の意味です。
ただそれではなんのことかイメージが湧きにくいと思いますので
言い直すと、
投資信託=「株式をいろいろ詰め込んだパッケージ商品」
です。
詰め込む物は他にもいろいろあるのですが、
ここではメジャーな株式の投資信託に絞って説明させてもらいます。
固定の株式が何種類か入ってるというわけではなく、
「こういうテーマの株式で運用するのでお金を預けてください」
というイメージです。
その時々でよりテーマに合う株式に入れ替えていくわけです。
「テーマ」というのは
- 自動運転
- アメリカの成長企業
- 訪日外国人の恩恵を受ける日本企業
などなど
テーマの幅広さは投資信託毎に異なります。
このテーマがいいなと思ったら、
投資額を決めて証券会社に払うことで購入することができます。
Q2 本当に投信でお金が増えるのか?
A. 増えるものもあれば増えないものもある
「え??増えると思ってこの記事読んでるんですけど?」
と思われた方もいらっしゃると思います。
順を追って説明しますのでご安心ください。
まず投資商品に絶対はないです。
100%儲かるなんて物は間違いなく詐欺ですし、
絶対儲かるなんてちゃんと証券を学んでいたら言えないはずなので、
そういった文言を見かけたら注意してください。
特に短期間では、
「未来を予知する力」でもなければ100%の確率で儲けるのは無理です。
ただその前提で
「お金の増える」確率を限りなく100%に近づけることはできます。
そこで大事なのは「商品」と「タイミング」と「保有期間」の3つです。
「いい商品」を
「いいタイミング」で買い、
「保有期間」が「長くなればなるほど」儲かる可能性は高まります。
では「いい商品」をどうやって判断するのか?
これは信頼できる人に聞くのが一番です。
具体的には「対面式の証券会社」
もしくは
私のような「証券を専門とするファイナンシャルプランナー」です。
ただし、人に頼るのには注意点もありますのでQ5でもう一度説明します。
人に聞くのは面倒くさいから
YouTubeで紹介されている物を買いたいという方もいらっしゃるかもしれませんが、
あまりおすすめはしません。
理由は
①YouTubeという媒体の特性上、視聴回数を稼ぐために派手なことを言わないといけないので、
商品のいい部分が誇張されがち。(※全てがそうではない。)
②不特定多数に対する金融商品の紹介ではタイミングまでは伝えにくい。
仮に「今だ」といわれても売るタイミングやその後の経過まではアドバイスを得にくい。
③金融商品は一人一人に合う商品が違うので、
自分に合う物が何かというのは動画を見ただけではわからない。
などの理由が挙げられます。※投資信託に限る
とても大事なお金ですので、
よくわからない状態で「なんとなくよさそう」というだけで何かを購入するという
非合理的な判断は絶対にやめていただきたいです。
それでもどうしても人に相談したくないという方は
「S&P500」を買っておけばいいと思います。
長い期間持つことで高確率である程度のお金は増やせるはずです。
結論:ちゃんと投資すれば投資信託でお金は増やせる
Q3 手数料が高いイメージがあるが本当か?
A. 株式よりは一般的に手数料は高い
手数料が高いか低いかというのは個人の主観になってしまうので、
今回は証券投資の代表格である株式との比較で「高い」とさせていただきます。
証券投資で代表的なのは「買うときと売るとき」の手数料です。
投資信託は買うときに株式より多めの手数料を取られ、
売るときは手数料がかからないというものが多いです。
しかし、ネット証券では買うときも手数料がかからないところもあります。
それだと株式より高いことはないんじゃないかと思われますよね。
ここで登場するのが「運用管理費用」という手数料。
細かい説明は抜きにしますが、
投資信託は株式と違って
「皆さんの信頼に答えるために努力している」
その分お金をいただいているということです。
さらにこの手数料は直接ではなく、
運用している資産の中から自動で払われるので気づきにくい手数料でもあります。
投資信託はこの手数料の分、当然株式よりも手数料が高くなるということです。
ただ何割とお金を増やすための「投資信託」ですので、
数パーセントの手数料は高いものではないと個人的には思います。
結論:株式よりは手数料は高い
Q4 毎月分配金がもらえる投資信託が儲かるんですよね?
A. そんなことはありません。
そもそも「分配金」って何?という方もいらっしゃると思いますが、
株式の配当金のようなものと思ってください。
その分配金が毎月受け取れるというものが「毎月分配型」です。
一時期流行ったもので、「毎月7%受け取れる」というような肩書きに飛びついた方が多かったのですが、蓋を開けると預けたお金が減っていてクレームになったということがあります。
原理は難しいと思いますので割愛しますが、簡単に説明すると、もうけた分が毎月支払われていると思っていたら、自分の預けたお金から毎月返ってきていただけだったということです。
毎月7%ももらえるうまい話はないという教訓でもあります。
ただし、中にはちゃんともうけの中から支払われているような投資信託もあります。もうけがあるときだけ分配金がでるというものです。
そういうものだとしても、「複利」という考え方から分配金として受け取るよりも、その受け取るはずのお金をそのまま運用した方が将来的に得をします
以上から、毎月分配にするメリットはほとんどないです。
結論:毎月分配金がでる投資信託はおすすめできない
Q5 新しい投資信託を勧められたらそれは買うべきなのか?
A. 時と場合によります。
新しい投信を勧められる時は
- 本当にいい投信だと思うから
- ノルマがあるから
基本的には上記のどちらかです。
付き合いでというのもあるかもしれませんが、
合理的には「上の場合は買って、下の場合は買わない」というのが正解です。
それではどうやって見分けるのか?
見分け方は簡単です。
その商品について、「根掘り葉掘り聞くこと」
これだけです。
表面的な話だけではなく、細かいところまで聞いてください。
本当に儲かると思って提案している担当者なら間違いなく9割以上答えることができるはずです。自信を持って提案してきているので、言葉にも強さや自信が出ます。
ノルマだから仕方なく持ってきている担当者は、その商品にあまり興味はないですし、抽象的に「なんとなく儲かりそうだから」で提案してくることが多いです。
これはQ1で出てきた人を信用する際の注意点とも共通です。
証券会社の社員やファイナンシャルプランナーにも様々な人がいます。本当に熱心に勉強してお客様のために頑張っている人がいれば、とりあえずノルマをこなすだけの人もいます。
信用する人を決める際に大事なのも「根掘り葉掘り聞くこと」です。
例えば
- これってどうしてですか?
- 何でもうかると思いましたか?
- いつまで保有したらいいですか?
こういう質問にしっかり答えてくれる人を信用してください。
たまには答えられないこともあると思いますが、その場合でもすぐ調べて回答してくれる人を信頼してください。
人柄がいい人や馬が合う人を選ぶ方も多いですが、本気で「お金を増やす」際に感情論はいらないと思います。
ではもし担当者が信用できない人だった場合はどうするのか?
→担当を変えてもらいましょう。
あまり担当をコロコロ変えるのは印象が悪くなりますが、担当を変えてもらうこと自体は正当な権利なので信用できない人は変えてもらいましょう。
それでもだめなら、証券会社やファイナンシャルプランナーを変えることをおすすめします。
命の次に大事とされる「お金」に関することなので遠慮は全くいりません。
ただ一点注意いただきたいのは、「クレーマー」にはならないでください。
とげのある言い方をしたり大きな声で意見を主張したりしても全くプラスにはなりません。むしろサッカーで言うところの「イエローカード」みたいなものがこっそり出されてしまい、あまり取引しないように警戒されてしまうことになるでしょう。
結論:信頼できる人に提案された投資信託は買う価値がある。
Q6 初めて買うときはどうしたらいいの?
A. 証券口座を開きましょう
対面式の証券会社であれば、支店に電話をして「口座を開設したい」と伝えれば後のことは全て指示してもらえます。
ネット証券であれば、気になる証券会社のHPを閲覧し、そこに書いてある通りに進んでいけば大丈夫です。
ただしQ1でも触れたように、ファイナンシャルプランナーに相談しないのであれば投資信託の取引においてネット証券はおすすめしません。
また他の記事でまとめると思いますが、ネット証券が向いている方は
- 株式取引が好きで、毎日のように売買をする人
- 独学で証券の知識があり、誰にも頼らず一人で取引できる人
- 積立NISAか株の売買しかしないと決めている人
などに限ります。
また、銀行でも投資信託を買える時代になりました。
ただ銀行で買うことはあまりおすすめしません。
銀行の投資信託が儲からないと言い切るわけではありませんが、銀行で買うならばノウハウも商品多い多い「証券会社」で買う方が合理的です。
結論:証券口座を開いて、取引をスタートする
以上が「投資信託」についてでした。
信用できる人を見つけて、「いい商品」・「いいタイミング」を教えてもらって自分のお金を増やしましょう。
ただもちろん、どんなに信頼できるものでも損してしまうときは必ずあります。
自己責任ということを自覚して投信で「お金を増やす」という選択をとりましょう。
また他にも「お金の増やし方」はたくさんあります。
よかったら他の記事も覗いてみてください。
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