TOB(株式公開買付け)とはTakeover Bidの略で、
簡単にいうと
よし、あの会社を子会社にしよう!
と思ったときに、宣言して株式を皆さんから直接買い集める方法です。
新聞でもよく目にする単語なので、
ぜひこの記事を読んで全体像を理解してください。
1.TOBの目的は?
TOBは相手方の会社の株を投資家から買い集めるのですが、
大きく3種類の目的があります。
目的の3つは定義的なものを載せるので
聞き流してもらって大丈夫です!
①経営権を取得したい: 相手方の経営権を取得するために行われます。株式の過半数を取得すれば、取締役会や株主総会での重要な決定に影響を及ぼすことができます。
②企業を再編したい: M&A(合併や買収)の一環として行われます。シナジー効果(事業の相乗効果)を狙ったり、事業の拡大・強化を目的としたりします。
③株式を非公開化したい: 企業がTOBを使って自己株式を買い集め、株式公開を停止(上場廃止)し、非公開会社にすることもあります。
こういった目的のためにTOBは行なわれますが、
一般的にTOBと言う場合は①②が多く、
ぼんやりと相手方の会社を支配しようとしているんだなと思っていただければOKです。
大事なのは次の章です!
2.TOBの特徴
TOBには知っておくべき3つの大きな特徴があります。
この3つを抑えておけば、
TOBについてはとりあえずOKだと言えます!
2.1.買付(TOB)価格とその期間を先に提示する
買収を試みる企業は、
相手方の企業の株式を一定の価格で一定の期間内に買い取ることを公表します。
「この期間内なら、○○円で買いますよ!」
と宣言するわけです。
皆売らなかったらどうするの??
折角買収しようとしているのに、
投資家の皆さんが株式を売ってくれなかったら意味ないですよね!
だから、提示される価格は基本的に、
現在の市場価格よりかなり高い価格になります。
例えば、
- ヤフー(Zホールディングス)によるZOZOの買収
:市場価格2,166円⇒TOB価格2,620円(21%増)
のように「プレミアム」というものがつけられます。
なので、
自分が持っている株がTOBの対象になったら基本的にラッキーです。
2.2.証券取引所「外」での取引
通常の株式取引は証券取引所を通しますが、
TOBは取引所を通さず、買い手が株式を直接購入します。
なかなか珍しい取引なので、
慌ててしまう方もかなりいますが、
TOBが決まった時にとるべき選択肢は以下の3つだけです。
①TOBに申し込む
⇒証券会社に電話して申し込みをします。
決まった証券会社(主幹事)で売らないといけないので、
他社に証券口座を持つ場合は口座を作ったり移したりしないといけません。
②TOB発表に伴って株価が上昇するので市場で売る
⇒TOBが発表されると、そのTOB価格に近いところまで株価が上がります。
その株を持っていれば「TOB価格」で売れるので、
ギリギリの価格までは買われるわけです。
口座開設や移す手数料等を考慮すると、
価格上昇に伴って売ってしまうのも選択肢の1つです。
③買収された後も持ち続ける
⇒TOB後上場廃止にならない株であれば持ち続けることが可能です。
選択肢の1つではありますが、
持ち続ける方はほとんど見かけないですし、売ってしまう方が良いです。
2.3.友好的TOBと敵対的TOBがある
TOBには言葉通り「友好的」なものと「敵対的」なものがあります。
①友好的TOB
買収する側と相手方の企業の経営陣が事前に合意し、協力して実施されるTOBです。
買収自体はもちろん円滑に進み、
買収後の企業統合や経営方針についても両社が同意していることが一般的です。
②敵対的TOB
買収する側が相手方の企業の意向に反して、支配権を得ようとするTOBです。
相手方の企業の経営陣は反対しており、買収を阻止しようとするため対立が生じます。
⇒そのため、失敗することも多いです。。
新聞では「友好的」「敵対的」という表現をそのまま使う場合や、
- TOBに合意する方針⇒友好的
- TOBに対抗する方針⇒敵対的
みたいに内容から分かる場合があります。
何も書いてない場合は友好的なTOBであることが多いです。
自分の持っている株式がTOBの対象になったときは、
焦らず友好的なのか、敵対的なのかを確認し、その後の対応を考えてくださいね!
3.まとめ
今回はTOBについての解説でした。
自分の持っている株式がTOBの対象になったらラッキーですので、
しっかり売ってしまいましょう!
他にも記事を書いているのでぜひ覗いてみてください。