【元証券マン監修】持っている株や投資信託が下がったときはどうするべきか?

【元証券マン監修】持っている株や投資信託が下がって怖い時の対処法 商品・手法・制度

投資は調子良いばかりではありません。

持っている株や投資信託が下がると、
とても気になりますし、気分が下がりますよね。

初男さん
初男さん

折角儲かっていたのに下がってしまった。
もっと下がるのが怖いから売ってしまおうかな。。

そんな方のためにこの記事を書きました。

この記事を読めば、
持っている株や投資信託が下がってしまった時どうするべきか?
を体系的に理解できますのでぜひ読んでください。

1.持っている株や投資信託が下がった時はどうするべき?

株や投資信託が下がった時の対処方法

持っている株や投資信託が下がった時は、

  1. まずは落ち着く
  2. 次に具体的対処

順番に説明します。

1.1.まずは落ち着く

まずは落ち着く

自分の持っている株や投資信託が下がった時は
まずは落ち着いてください

慌てて何も考えずにとりあえず売ってしまう

というのは損をする可能性が高いです。

なぜなら大体の場合、その後戻るから。

そして、

相場が良いと、
⇒気分が上がり、「投資をやっていて良かった」

相場が悪いと、
⇒不安になり、
「高いときに売っておけば良かった」
「投資を始めなければ良かった」

と誰しもが思います。

証券マン時代も、
相場が良いときは提案を快く聞いてくれて、
相場が悪いときはなんでこんな商品勧めたの?と言われていました。

そして、また相場が上がったら・・・の繰り返しです。

初男さん
初男さん

こういう風に考えるのは自分だけでは無いんだ!

と思って落ち着いた状態で具体的に対処していきましょう。

1.2.具体的な対処

持っている株や投資信託が下がった時の具体的対処

持っている株や投資信託が下がった時の対処法を考えます。

前提として大事なのがその商品を、

  1. 短期で売買するつもりなのか
  2. 長期で持っておくつもりなのか

スタンスの違いで対処方法が変わるので、
それぞれ説明します。

初男さん
初男さん

スタンスとか考えたことなかったです。

「とりあえず新NISA始めよ!」と思って積立投資を始めた方は、
短期や長期を意識していないかもしれませんが、

そういう方は、
長期で持っておく前提だと思って読み進めてください。

積立投資=長期投資です。

1.2.1.短期

短期投資前提で始めたものが下落した場合。

自身のルールにもよりますが、
ほとんどの場合は売るべきです。

短期で投資をしたということは、

  • チャート(株価の動き)
  • 決算発表
  • 重要な会議の結果

こういったものから未来を予測して投資したわけなので、
その予想が外れて下がった場合は潔くロスカット(損切り)しましょう。

そこから長期保有に切り替えるという手もありますが、
俗に言う「塩漬け」という状態になってしまう可能性があります。

塩漬け=損をした状態がずっと続いて、売るに売れない状況のこと

思い切って売って、
その分の資金で違う商品を買って再スタートしましょう!

1.2.2.長期

こちらがメインの方が多いと思います。
特に新NISAで投資を開始した方はほとんどが長期前提ですよね。

長期で持っておくつもりの商品は
下がった時の状況で対応を変える必要があります。

以下の3パターンあるのでそれぞれ説明します。

  1. 世界的ショック:迷わず買い増し
  2. 相場全体の下げ:キープもしくは買い増し
  3. 個別もしくは含まれるテーマ固有の下げ:損切り
①世界的ショック:迷わず買い増し

持っている株や投資信託が下がった理由が、

  • 2008年のリーマンショック
  • 2020年のコロナショック

このような世界的ショックの場合は迷わず買い増し

原因は様々ですが、
世界的なショックは定期的に起きます。

その時、株価は全体的に3.4割下がり、
初めて経験する方は間違いなくパニックになります。

実際に、コロナショックの時は、

  • 毎日大丈夫かと聞いてくる方
  • 騙されたと言って全部売って投資をやめる方
  • 最初は我慢していたが、耐えきれず売ってしまう方

など、証券会社の営業員としてパニックを目の当たりにしました。

しみしゅん
しみしゅん

毎日株価一覧が真っ赤(マイナスだと赤)になり、
私もとても驚きました。

しかし、実は世界的ショックは大チャンスなのです。

なぜなら、
世界的ショック後は株価が元に戻る可能性が極めて高いからです。

世界的ショックの時、
株価が元に戻るメカニズムを要約すると以下の通りです。

世界的ショックが起きると、
世界中の中央銀行がお金を導入して株価が元に戻るように動きます。

会社が続々倒れると国としてピンチなので、
国が中央銀行と連携していろんな方面にお金を配ります。

国が株を買い取り、社債をたくさん購入し、
融資も利子なしで行い、
全力で国を立て直しに動いた結果、株価は元に戻ります。

リーマンショックの時はこの動きが遅れた結果、
元に戻るのに何年もかかってしまいました。

その経験を糧にコロナショックでは迅速に対処した結果、
1、2年で株価は元通り以上になりました。

この成功体験があるので、次回のショックの時も、
各国同じような対処をして株価が元に戻すことはほぼ間違いないでしょう。

つまり、

買い増しをする大チャンス

株価が元に戻る可能性がとても高いので、
株や投資信託を買う絶好のタイミングになります。

ここで生じそうな疑問が2つ。

NISAだから枠の関係で買い増しできないです。。

買い増しをするタイミングはいつが良いんでしょうか?

それぞれ解説します。

NISAだから枠の関係で買い増しできない

NISAのつみたて枠を使っている人はもちろん、
成長投資枠でギリギリまで買っている人は、

どうやって買い増しするの?と思うかもしれません。

しみしゅん
しみしゅん

そんな時は主口座で買ってください!

NISA口座の恩恵は受けられませんが、
大チャンスなので、今出せるギリギリまで全力で買いに行きましょう!

コロナショック当時は証券マンで株の売買に制限がありましたが、
現在はやめた身なので次回は最低限のお金を残して全て入れるつもりです。

それだけの大チャンスなのです。

・・と言ってもそこまで全力で買える方は少ないと思います。

だから「少しでも」買い増ししましょう!

買い増しをする具体的タイミングはいつ?

世界的ショックの時に下がって戻ると言いましたが、

「100が70になって、70が100に戻る」
というようにきれいに下がって戻るわけではありません。

下がったと思ったら少し上がって、また下がって・・・
みたいな動きを繰り返しますので、
ピッタリ一番低いタイミングを狙うのは正直難しいです。

なので買い増しは、
複数回に分けて行いましょう。

最初大きく下げた時に少し(買うつもりの1割程度)購入。
そこからは適宜買い増しするイメージです。

最初下がった時は手を出さない方が良いという意見もありますが、
私は買っていいと思っています。

なぜなら、
この段階では世界的ショックかどうかの見分けはつきにくいからです。

もし世界的ショックじゃなかった場合は割とすぐ戻るので、
少しでも買って良かったということになりますし、(2024年8月のケース)

世界的ショックの場合はもっと下がってしまいますが、
結果的に戻るところまで待つので損はしないです。

いつが一番低いところだろう?と手をこまねいて、
結局買えなかったというのが一番ダメです。

絶対の正解はないので、
どこで買っても儲かる!と気楽に買い増しをしましょう。

世界的ショックは迷わず買い増し

②相場全体の下げ:キープもしくは買い増し

国の政策、内戦・戦争など様々なことの影響で、
相場全体が下がることがあります。

多くの相場の下げはこれに当てはまります。

そんな風に全体が下がってる時は売るのはダメです。
お金に余裕があれば買い増しも考えましょう。

世界的ショックほどの下げ幅がないので
無理して買い増しするほどではありませんが、

相場全体が下がったまま終わることはありえません

下がった原因が落ち着くときが必ず来て、
その時に相場も自然と元に戻ります。

自分の持っている株や投資信託だけでなく、
相場全体が下がっている時は、

  • 売らずに我慢
  • 買い増し

このどちらかで戻るのを待ちましょう。

相場全体の下げはキープもしくは買い増し

③個別もしくは含まれるテーマ固有の下げ:損切り 

持っている株や投資信託が下がった理由が、

  • 保有する株の特有のもの(業績等)
  • 保有する株や投信が含まれるテーマ固有のもの(ゲノムやインバウンド等)

の場合は、泣く泣く売ります

例えば、日経平均は上がっているのに、
自分が持っている株(投信)やその周辺の株だけ下がっているとき。

こういう時は下がっている原因が、
一時的ではない可能性があります。

理由を調べると、

  • 業績が悪くなっている
  • テーマが廃れてきているデータが出た
  • 法律等の改訂で厳しくなった

などになります。

そんな場合は今後も下がり続けることが多いので、
長期投資前提であっても泣く泣く売った方が良いです。

初男さん
初男さん

将来上がる可能性はないですか?


そう思いたい気持ちは分かりますが、
塩漬け」になってしまう方が多くいます。

確かに上がる可能性は多少ありますが、
他の勢いのある株や投資信託に乗り換えた方が上がる可能性が高いです。

「これまで持っていたから売れない」ことをサンクコスト効果というので、
興味があれば以下の記事を読んでみてください。
【初心者向け】サンクコスト効果(埋没費用効果)を簡単にわかりやすく解説

個別もしくは含まれるテーマ固有の下げは損切り

※オールカントリーやS&P500は?

持ってる方が多いであろう

  • オールカントリー
  • S&P500

この2つは個別で説明しておこうと思います。

これらを短期で持っている方は極端に少ないので、
長期投資に絞って説明します。

【元証券マン】オールカントリーとは何かをかみ砕いて解説!S&P500との違いは?

こちらの記事で説明しているとおり、
どちらも似たような商品で、米国中心に投資しています。

ですので、個別やテーマで下がることがあるとしたら、
米国株のみが下落したとき」になります。

可能性は限りなく低いですが、
万が一、米国が戦争で負けるようなことが起きればそうなるかもしれません。

大切なのは、
下がっている理由が「明確に米国が危ないから」であるということ。

  • トランプ氏の発言で一時的に下がった
  • 金融政策で一時的に下がった

こういった場合は気にしなくて良いです。

これらを踏まえてまとめると、S&P500やオールカントリーは、

  1. 世界的ショックが起きたとき:買い増し
  2. 相場全体が大きく下げたとき:キープもしくは買い増し
  3. 米国株のみ減速したとき:損切り

大体の場合は、不安になっても、
むしろ買い増しするチャンスなんだなと思ってください。

2.まとめ

まとめ

今回は、
持っている株や投資信託が下がったときはどうするべきか?
を体系的に書きました。

持っている株や投資信託が下がってしまうのは嫌なことですが、
しっかり対処することでむしろチャンスにもなります。

  • 短期で持つのか?
  • 長期で持つのか?
  • 長期で持つなら何が原因で下がっているのか?

しっかり理解することで、相場の下げが怖くなくなります。

うまく「相場の下げ」とも付き合っていきましょう。

ブックマークしていただければ、
再度不安になった場合にもここに戻ってこれます。

他にも記事を書いているので、お時間あればぜひ読んでみてください。

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