2024年4月19日に日経平均株価は1011円下がりました。
この原因がイランとイスラエルの対立でした。
2024年11月現在もロシア・ウクライナの情勢が原因で株価が不安定になっています。
こういった国同士や地域の争いを総称して
「地政学リスク」と呼びます。
地政学リスクが起きるとほぼ間違いなく株価は下がります。
そしてびっくりして売った方は損をしてしまいます。
そのメカニズムを元証券マンの視点で解説します。
地政学リスクとは
地政学リスクとは、
ある特定の地域が抱える政治的・軍事的な緊張の高まりが、地理的な位置関係により、
その特定地域の経済、もしくは世界経済全体の先行きを不透明にするリスクのこと。
地政学的リスクが高まれば、地域紛争やテロへの懸念などにより、
原油価格など商品市況の高騰、為替通貨の乱高下を招き、
企業の投資活動や個人の消費者心理に悪影響を与える可能性がある。
※野村證券HPより引用
基本的には国と国の争いであることが多いですが、
特定地域でもめ事が起き、
それがエスカレートして世界を巻き込むような状態。
これを地政学リスクが高まった状態と言います。
具体的には、
- 「イランとイスラエルの対立」
- 「ロシアとウクライナの対立」
- 「9.11同時多発テロ」
- 「イラクによるクウェート侵攻」
などです。
地政学リスクが発生したほとんどの場合で全世界の株価が下がりました。
仕事病で、そのこと自体で苦しんでいる方のことを考えるのと同時に
株価への影響も絶対に考えてしまうのです。
なぜ地政学リスクで株価が下がるのか
地政学リスクが発生すると株価が下がる
その理由は端的に言うと、
地政学リスクが発生すると、毎回株価が下がるものだから
え?それが理由??
そう言いたくなりますよね。
しかし、
いつも下がるから今回も下がる
この考え方が「株式投資」では大事なのです。
確かに、毎回具体的な理由はあります。
例えば、つい先日のイランとイスラエルの対立では
原油価格の高騰を引き起こし、経済活動に影響を与える可能性がある
⇒だから株価が下がった。
とそれっぽい理由で説明できます。
確かにこの理由は間違いではないのですが、
「お客様への説明用の理由」でしかありません。
実際は、
毎回株価が下がっているという事実が引き起こす投資家の心理
これが真の理由なのです。
そのメカニズムを説明すると以下のようになります。
地政学リスクが発生
⇊
過去毎回下がってきたので今回も同じように下がるだろう
⇊
(下がる前に)売却
(下がるチャンスに儲けようと思って)空売り※
⇊
株を買う人の数<売る人の数
になるので実際に株価が下がる
⇊
株価が下がったことにびっくりして株を売る人も出てくる
⇊
もっと株価が下がる
⇊
タイミングを見て買い戻され株価が戻る
⇊
びっくりして株を売った人だけ損をする
これの繰り返しなのです。
※空売りとは、持っていない株を証券会社に借りて売り、
後で安くなったときに買い戻して証券会社に返すこと。
⇒結果「株を売る」ことになるので株価が下がる。
だから、毎回の地政学リスクに対する説明用の理由は関係なく
地政学リスクが起きると毎回下がるものだから株価が下がる
これを覚えておいてください。
地政学リスクが起きたときは株はどうしたらいいのか?
では実際に地政学リスクが起きてしまったときはどうするべきなのか?
静観してください!!
慣れてきたら買い増しもOK!
先ほど地政学リスクで株価が下がるメカニズムでいったように、
遅かれ早かれ株価は戻ります。
これは株自体の価値が下がったわけではなくて、
一時的な恐怖による売却や投機筋の売買だからです。
投機とは短期間の価格の動きを利用して、利益を得ようとすること。
だから基本は我慢して静観しましょう!
もし地政学リスクによる株価の下落に慣れてきて余裕資金がある場合は
タイミングを見て買い増ししてください。
株価が戻る時に儲けを狙うことができます!
株や投資信託が下がった場合の対処方はこちらの記事で広く説明してますので、合わせて読んでみてください。⇒【元証券マン監修】持っている株や投資信託が下がって怖い時の対処法
まとめ
「地政学リスク」で株価が下がるメカニズムについて書きました。
毎回株価が下がってきたから、今回も下がるように動く
これが大事なポイントです。
この今までそうだったから今回もそう動く
という考え方はテクニカル分析という株価を予測する技術でも応用されており、
株式投資では定番の考え方なので覚えておいてください!
他にも記事を書いているのでぜひ読んでみてください。