SBI証券は他社と比べてどうなのか?
SBI証券と言えば、ネット証券最大手です。
芦田愛菜さんが主演のCMが2024年10月から始まっていて、
一度は見たことがある人も多いと思います。
そんなSBI証券は、
業界最大手というだけあって使っている人が多いですが、
本当にいい証券会社なのか?
を項目ごとに元証券マンの目線でしっかり分析して解説します。
- 今から投資を始めようと思っている
- 証券会社を迷っている
- SBI証券で口座開設しようと思っている
こういった方はぜひ読んでください。
、データはSBI証券公式のものです。
評価は星5がMAXで、公平性や論理性を重視して評価しています。
1.SBI証券の評価

SBI証券は「ネット証券」です。
ネット証券を評価する上で特に重要なポイントは以下の3点。
- 手数料
- ポイント還元率
- 商品の豊富さ
商品を買うのであれば、
- 手数料は安ければ安いほどいい
- もらえるポイントは多ければ多いほどいい
これら2つは特に大事なポイントです。
明確にその証券会社の良し悪しが決まります。
また、商品を選ぶ際に、大は小を兼ねると言いますが、
種類が多ければ多いほど選択肢が広がるため有利です。
以上からこれら3つの項目は、
ネット証券の良し悪しを考える上で必須な項目となります。
他にも以下のようなポイントがあります。
- アプリやサイトの使い勝手
- 動画やロボアドバイザー等補助的サービス
- IPOなどの抽選優遇サービス
しかし、
ここら辺のポイントは良し悪しが人によって変わります。
アプリやサイトが単純な方が使いやすい人がいれば、
カスタマイズできた方が好きな人もいます。
動画はYouTube等でも見れますし、
アドバイザーやIPO抽選は必要ない人には無意味ですね。
なので、SBI証券で突出している点だけ「1.4.その他の特徴」でまとめました。
1.1.手数料

まずは手数料が無料のものを紹介します。
- 投資信託:買うときの手数料0円
- 国内株式:売買手数料が0円
- 米国株式&海外ETF:NISA口座での売買手数料は0円
- 米ドルと円の交換レート:米ドル建ての商品を買う際の為替手数料0円
※2と4は各種報告書を紙から電子書面にする必要あり
これら4つの手数料0円を見た最初の感想は、
「やりすぎ!!」でした。
どれくらい私のいた証券会社と違うかというと、
- 投資信託:買うときの手数料3%
- 国内株式:売買手数料1%
- 米国株式&海外ETF:NISA関係なく、売買に1.5%~2.5%程度
- 米ドルと円の交換レート:50銭(1ドル100円の時100.5円必要)
条件にある「各種報告書を紙から電子書面にする」というのは、
「紙で郵送される取引の明細や報告書等を廃止し、ネットで確認するようにする」
というものですが、ネット証券を使う人ならばなんら不自由がないレベルの条件です。

元証券マンの私からすると、
何で利益を出しているかわからないレベルです。
ただ全部が全部手数料が0円なわけもなく(会社が潰れてしまう)、
例えば以下のような部分は手数料がかかります。
- 新NISA以外の米国株:約定代金 × 0.495 %
- 投資信託の信託報酬:商品によるが低水準
米国株は2.02米ドル以下であれば手数料0で、
どんなに約定代金が大きくても22ドルが最大になっています。
これは楽天証券や松井証券などの他のネット証券とほぼ同水準。
投資信託の「信託報酬」というのは、
実際に払うわけではなく日々間接的に取られている手数料です。
信託報酬はその投資信託ごとに違いますが、
0.1%以内の商品が多くかなり低水準だと言えます。
総合的に見ると、
SBI証券の「手数料」の項目は、☆☆☆☆☆
1.2.ポイント還元率

SBI証券でポイントを貯めることができるのは以下の5つです。
- Vポイント
- Pontaポイント
- dポイント
- PayPayポイント
- JALのマイル
※ポイントサービスに申込み後、初期設定が必須
ポイントがつくのは6つのタイミングです。
- 国内株式売買
- 投信保有ポイント
- 金・銀・プラチナ
- 新規口座開設
- 友人紹介
- クレカ積立
それぞれの条件を以下にまとめます。
①国内株式売買
月間の合計手数料の1.1%相当(JALマイルは0.55%)
ポイントは「手数料の」1.1%という点です。
手数料は元々低水準な上に、
1章で説明したとおり簡単な条件で手数料0円にできるので、
国内株式売買のポイントはほぼつかないものと考えてください。
②投信保有ポイント
月間平均保有金額の最大0.25%(JALマイルはその半分)
- 1,000万円未満:0.01%~0.15%程度
- 1,000万円以上:0.01%~0.25%程度
投資信託を保有しているだけで貰えるので嬉しいポイントです。
- 残高が1,000万円を超えているかどうか(関係ないものもある)
- どの銘柄を保有しているか
これら2項目でポイントの還元率が変わり、
例えば「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は0.0175%貰えます。
保有ポイントは投資信託の「信託報酬」から還元されるので、
信託報酬の低い銘柄のポイント還元率は必然的に下がっています。
③金・銀・プラチナ取引
月間の合計手数料の1.0%相当(JALマイルは0.5%)
金・銀・プラチナの取引は、買うときの手数料が1.65%かかります。

楽天証券と同じですね。
業界でも最低水準なのですが、
株式や投資信託と比べると割高に感じます。
さらには「現物」として受け取るときには手数料関係が複雑なので注意が必要です。
SBI証券内の金・銀・プラチナ取引サイトで「価格問い合わせ」をすることで、
申込日時点の現物転換にかかる総費用をお知らせしてくれます。
興味ない方は関係ない部分ですが、
購入する予定がある方は、
対面証券では現物は取り扱わない上、ネット証券でも取り扱わないところが多いので、SBI証券はオススメできます。
④新規口座開設
100ポイント(JALは50マイル)
これは口座開設してくれてありがとう!というおまけポイントですね。
⑤友人紹介
5,000ポイント(Vポイントかdポイント限定)
紹介した人が新規でSBI証券の総合口座開設完了した後に、
- Vポイントカード登録
- dアカウント連携
それぞれどちらかを完了すると5,000ポイントもらえます。
自分が使ってみてオススメできるようであれば、
ご友人にもSBI証券を勧めるとWINーWINですね!
⑥クレカ積立

※SBI証券公式HPから引用
このポイントに加え、
②で紹介した投資信託残高のポイントも同時に貰えるのでとてもいいです。
しかし、注意点が一つあります。
画像の下の方に注意書きで書いてありますが、
投資信託の積立金は年間カード利用額に入らないので、
年間でカードを他で最低でも10万円以上使っていないとポイントは0です。
普通のポイントは手数料から貰えますが、
つみたてという行為自体にポイントが付くのはとてもお得です。
これらから総合的に評価して、
SBI証券の「ポイント還元率」の項目は、☆☆☆☆☆
1.3.商品の豊富さ

SBI証券で扱っている商品は、
国内株式(日本株)・外国株式・海外ETF・投資信託・債券・FX・先物・オプション・CFD・金・銀・プラチナなど。
種類においては充分ですね。
大手証券会社と比べても引けを取らないです。
主要な銘柄数に関しては、
- 投資信託:約2,600銘柄
- NISA(つみたて枠)対象投資信託:約250銘柄
- 米国株式:約5,200銘柄

これが多いのか少ないのか分からないです。
私がいた大和証券(大手証券会社)では、
- 投資信託:約500銘柄
- NISA(つみたて枠)対象投資信託:約36銘柄
- 外国株式:約2,000銘柄(米国以外のETFまで含む)
これでもお客様のニーズに答えられなかったことはありませんので、
これを上回るSBI証券は充分すぎると言えます。
定番のSP500やオールカントリーはもちろん、
マイナーな株や投資信託まで充実のラインナップです。
ちなみに楽天証券は以下の通り。
- 投資信託:約2,600銘柄
- NISA(つみたて枠)対象投資信託:約240銘柄
- 米国株式:約4,600銘柄
大きくは変わりませんが、同程度以上の銘柄数で、
SBI証券は文字通りネット証券の中でトップの銘柄数を誇ります。
ここまでの内容から、
SBI証券の「商品の豊富さ」の項目は、☆☆☆☆☆
1.4.その他の特徴

大事な3つのポイント(手数料・ポイント還元率・商品の豊富さ)以外で、
実際に使っているお客様の口コミ等からSBI証券の特徴を紹介します。
- サイトが使いにくい
- IPOに関して有利
- 新生銀行との連携が便利
①サイトが使いにくい
1つ目はマイナスな要素です。
SBI証券の唯一のデメリットとも言えるのがサイトの使いにくさ。
以下、実際に使っているお客様の口コミの一部です。

シンプルに使いにくいです。
利益には関係ないので使っていますが。

新NISAと旧NISAの場所がわかりにくいです。
全体的にサイトが見やすくないです。

メンテナンスの頻度が気になる。
サイト自体は他を使ったことがないのでまあ満足。
私の妻や妻の母親も使いにくいと言っており、
逆に使いやすいと言っている人はほとんど見たことがないです。
使いやすさは「人による」と思いますが、
多くの人が言うということは他社と比べて使いにくいと感じる可能性は高いです。

実際、SBI証券のサイトは、
私もごちゃっとしていて見にくいなと感じます。
②IPOに関して有利
証券業界にはIPOといって「新しく上場する株」に投資できる制度があります。
このIPOは、
上場してすぐ売ったときの勝率が過去5年平均で75%以上という驚異の商品
なので、証券投資においても屈指の人気度を誇り、
抽選で当たれば貰えるという特殊な商品になっています。
そんなIPOに関して、SBI証券では
- IPO引受数がトータルで1位
- IPOチャレンジポイント制度
の2つでかなり有利になります。
IPO引受数は以下の通り。

※SBI証券決算資料から引用
引き受け数が多いということは、
その分SBI証券に口座がある人は抽選に参加できる回数が多いという点で有利です。
また、IPOチャレンジポイントというものが導入されています。
IPOの抽選・配分に外れた回数に応じてIPOチャレンジポイントが加算される。
次回以降のIPO申込時に、IPOチャレンジポイントを使うことで、IPOが当選しやすくなるSBI証券のポイントプログラムサービスのこと。
このポイントサービスがあることで、
挑戦し続ければ、IPO当選の確率をどんどん高めることができます。

IPOを当てたいなら、
SBI証券は必須レベルです。
③新生銀行との連携が便利
グループの「SBI新生銀行」と連携することで様々な恩恵があります。
- SBI証券総合口座とSBI新生銀行口座間でリアルタイム入出金が可能
- セブン銀行ATMなど提携ATM手数料がいつでも無料
- 他行宛ネット振込手数料が月10回無料
- 円普通預金年0.3%(税引前)
特にSBI証券で売却した資金をそのまま新生銀行に移し、
セブンイレブンやローソンから手数料無料で引き下ろせるというのがとても便利です。
私がいた大和証券でも、大和ネクスト銀行と連携していて、
売却資金をセブンイレブンから出金することができたのですが、
これがめちゃくちゃ便利でした!

コンビニから引き出せるのが、
今の時代に合っていてとてもいいです。
引き下ろさなくても0.3%の高金利で預金できますし、
カードの引き落とし口座等に移したい場合もネットで無料振込できます。
補助的なサービスではありますが、
あるのとないのでは相当な差があるサービスだと言えます。
1.5.SBI証券の総合評価

SBI証券の評価をまとめると、
- 手数料 :☆☆☆☆☆
- ポイント還元率:☆☆☆☆☆
- 商品の豊富さ:☆☆☆☆☆
特に重要な3点は満点でした。
業界でも文字通りトップクラスの良い証券会社です。
- IPOに関して有利
- SBI新生銀行との連携が利用できる
これらも評価を上げる要因になっています。
逆に言うと、
唯一マイナス評価になった点はサイトの見にくさでした。
他の証券会社と比べても、あまりこの点は力を入れていない印象ですが、
その分経費を削減してお客様に還元しているのでしょう。
2.まとめ

今回はSBI証券がどうなのかを元証券マンの目線で評価しました。
結論は、
SBI証券はとてもオススメ
サイトの見にくさは気になりますが、
それ以外の点は本当に優秀な証券会社でした。
証券会社を開設する際には、
とりあえずSBI証券を開設しておけば間違いないです。
- マイナンバーカード
- 通知カード+本人確認書類
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楽天証券の記事はこちら。
⇒【元証券マン監修】楽天証券はどうなのか?手数料やポイント還元率を徹底解説