投資信託を買う上で知っておきたい注意点を5つまとめました。
- 手数料に関して3つ
- 運用に関して2つ
特に手数料は大事な判断材料ではありますが、
それが全てではないということを例を用いて説明しています。
投資信託を買おうと思ってる方や投資信託を既に持っている方には
必見の内容になってますのでぜひ読んでください!
投資信託の知らないと損する注意点5選
手数料編
前提として、投資信託には基本的に3種類の手数料があります。
- 購入時手数料
- 運用管理費用
- 信託財産留保額
①信託財産留保額という「売却時の手数料」がかかる場合がある
投資信託は、
売却時に手数料がかかる場合があります。
購入時手数料は一番気にする手数料で、
知っている人も多いと思います。
しかし、売却時に手数料がかかる投資信託もあります。
対面証券では説明されますが、
ネット証券だと
信託財産留保額って何だろう?
まあ気にしなくて良いか!
とスルーしてしまう可能性があります。
売るときに気づいて損した気持ちにならないように、
信託財産留保額=売却時手数料
は覚えておいてください。
②ほぼ同じ商品で手数料が安いものがある場合がある
投資信託は様々な商品がありますが、
ETFという別商品で
ほぼ同じなのに手数料が割安なものがある場合があります。
*ETFについてはこの記事を参考にしてください
⇒【初心者向け】ETFって何??投資信託との違いを元証券マンが解説)
具体的には、
楽天証券で取り扱っている「S&P500」という銘柄で比べてみます。
投資信託:eMAXISSlim米国株式(S&P500)
- 購入時手数料:なし
- 運用管理費用:0.09372%
- 信託財産留保額:なし
ETF:楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド
- 購入時手数料:なし
- 運用管理費用:0.077%
- 信託財産留保額:なし
- ※購入時はコースによるが基本0になる
どちらもS&P500という同じ題材で作られていますが、
ETFの方が手数料が安いです。
単純に同じ投資先なら、
手数料が安い方が確率的には増えやすい
のでETFを選んだ方が良いと言えます。
③手数料が安ければ必ずしもいいわけではない
え?
今手数料が低い方が良いという話をしてたのに。。
直前で手数料が低い方が良いといったのは、
ほぼ同じ商品が2つ並んでいる場合です。
現状、先ほどのETFは作られて1年経っていないこともあり
上昇率に大きな差は無いのですが、
これから数年単位で少しずつETFの方が増える可能性が高いです。
しかし、
似ていても別銘柄だとそうはならない場合もあります。
先ほどのeMAXISSlim米国株式(S&P500)
と似たようなアメリカの優良企業に投資する2銘柄を比べてみましょう。
*これより下のデータは野村證券HPの10/23時点の物です。
それぞれの構成銘柄上位5銘柄は以下の通りで、
順位や割合は違えど、だいたい似たような銘柄が採用されています。
エントリーNo.1:eMAXISSlim米国株式(S&P500)
- 1位:6.9% マイクロソフト
- 2位:6.2% アップル
- 3位:6.1% エヌビディア
- 4位:3.7% アマゾン
- 5位:2.3% メタプラットフォームズ
エントリーNo.2:アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Bコース
- 1位:8.8% マイクロソフト
- 2位:8.2% エヌビディア
- 3位:6.4% アマゾン
- 4位:5.4% アルファベット(グーグルのこと)
- 5位:4.4% メタプラットフォームズ
エントリーNo.3:netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース
- 1位:9.49% アルファベット(グーグルのこと)
- 2位:9.39% エヌビディア
- 3位:9.1% マイクロソフト
- 4位:8.01% アマゾン
- 5位:4.55% アップル
気になる手数料はというと、
・購入時手数料(野村證券比)
- S&P500:なし
- アライアンス:3.3%
- netWIN:3.3%
・運用管理費用
- S&P500:0.09372%
- アライアンス:1.727%
- netWIN:2.09%
・信託財産留保額
⇒全てなし
これだけ差があればS&P500が一番増えているに違いない!
そう思いますよね。
しかし、実際のデータで各期間で一番増えたのは
- 過去1年間:netWIN
- 過去3年間:S&P500
- 過去5年間:アライアンス・バーンスタイン
販売手数料を引いた上でこの結果です。(各期間の上昇率から3.3%を引いている。)
手数料が全てじゃないことがよく分かりますよね!
手数料は重要な判断材料ですが、
単純に手数料だけで比べるのは無意味だということを覚えておいてください。
手数料が低いだけで全然良くない投信や
手数料が高くても上の2つのように優良な投信もあります!
運用編
あと2つは投信の運用方法に関してです。
④分配金は再投資する
1つ目は分配金に関してです。
分配金とは、
投資信託が儲かったお金を投資家に分配してくれるもので、
株でいう配当金のようなものです。
これを受け取るのではなくて「再投資」しましょう。
理由は単純で、複利効果で増やしていくためです。
*複利に関して詳しくはこちら⇒【元証券マン監修】投資は複利を利用して効率良く増やしましょう!
複利を使うことで、
増えた分のお金もさらに増えて、効率よくお金が増えていきます!
なので、
特に「毎月分配型」の投資信託は買わないことをオススメします。
毎月分配金を貰えるので得をした気分にはなりますが、
実際は預けたお金の方が減っていて、
トータルで見るとあまり増えてないことが多いです。
分配金は受け取るのではなく、
その分を同じ投資信託に再投資して増やしていきましょう!
⑤利益率を取るなら一括、手堅さを取るなら積立
最後はNISAでも言える大事なことですが、
利益率を取るなら一括、手堅さを取るなら積立
で投資するということです。
一括投資と積立投資どちらがいいの?
と聞かれたときに、
私は投資初心者の方には「積立」をオススメしていますが、
これは勝率が高く手堅い投資だからです。
一方、
より大きな上昇を見込めるのは一括投資の方です。
それぞれの特徴を簡単にまとめると以下の通りです。
一括投資:一度にまとまった金額で購入する方法。
- 長期で運用することで「複利効果」を期待できる
- 買うのが1回だけなので運用総額や利益等が分かりやすい
- 運用金額が多い分、上昇したときの儲かる金額は大きい(逆もしかり)
- まとまった金額が必要
- 利益が減ったり損失が出たりすると気になる
積立投資:毎月や毎日、同じ金額で買い続ける投資方法。
- 同じ金額で買い続けることで、
相場上昇時は少なく相場下落時は多く買うことができる「ドルコスト平均法」を活用できる - 少ない金額で無理せず続けることができる
- 相場が下がってもむしろたくさん買えるのであまり気にならない
- 利益率は一括投資よりは控えめ
これらの特徴から
- リスクを承知でリターンを増やしたい方は一括投資
- 安定と利益をどちらも取りたい方は積立投資
という風に自分の特性に合わせて、
どちらの投資法を取るか決めるのがよいです。
まとめ
今回は投資信託の知っておきたい注意点
を5つ紹介しました。
投資信託を買う前にしっかり確認して、
損しないようにしてください!
また、他にも記事を書いているのでぜひ読んでみてください。
投資に関してはこちら。
⇒【元証券マン】投資は何から始めるべき?投資初心者の最初の3ステップ!
⇒FXが胡散臭いと感じるあなたへ-その理由と元証券マンの評価
用語集
⇒【初心者向け】TOBを簡単にわかりやすく解説
⇒【初心者向け】相場操縦をわかりやすく解説