松井証券は他社と比べてどうなのか?
松井証券と言えば、
七尾さんのCMでおなじみで、聞いたことがある人も多いと思いますが、
SBI証券・楽天証券に比べると知名度は少し下がる印象。
そんな松井証券は、
- どんな証券会社なのか?
- 口座開設する価値はあるのか?
を項目ごとに元証券マンの目線でしっかり分析して解説します。
- 今から投資を始めようと思っている
- 証券会社を迷っている
- 松井証券で口座開設しようと思っている
こういった方はぜひ読んでください。
データは松井証券公式のものです。
評価は星5がMAXで、公平性や論理性を重視して評価しています。
1.松井証券の評価

松井証券は「ネット証券」です。
ネット証券を評価する上で特に重要なポイントは以下の3点。
- 手数料
- ポイント還元率
- 商品の豊富さ
同じ物を買うのであれば、
- 手数料は安ければ安いほどいい
- 貰えるポイントは多ければ多いほどいい
これら2つは特に大事なポイントです。
また、商品を選ぶ際に、
種類が多ければ多いほど選択肢が広がるため有利です。
だからこれら3つの項目は、
ネット証券の良し悪しを考える上で必須な項目となります。
他にも以下のようなポイントがあります。
- アプリやサイトの使い勝手
- 動画やロボアドバイザー等補助的サービス
- IPOなどの抽選優遇サービス
しかし、ここら辺のポイントは良し悪しが人によります。
なので、松井証券で突出している点だけ「1.4.その他の特徴」でまとめました。
1.1.手数料

手数料体系をそれぞれの商品で説明します。
- 国内株式:0.1%程度
- 投資信託:販売手数料無料
- 米国株:基本0.495%
- 新NISA:上記3商品は0円
①国内株式
1日の売買金額(約定)で手数料が決定。26歳未満は関係なく無料。
- 50万円まで:0円
- 100万円まで:1,100円
- 200万円まで:2,200円
- 200万円超:100万円増える毎に1,100円増
- 1億円以上:110,000円
1億円までは税抜きで0.1%
対面証券と比べると10分の1程度で割安ですが、
ネット証券にはSBI証券や楽天証券のように条件を満たせば無料のところもあるので、
際立って安いわけではないです。
また、200万円をこえた場合の細かいテクニックですが、
290万円や390万円のように100万増えるぎりぎりを狙うことで手数料が加算されません。
- 290万円:2,200円
- 300万円:3,300円
松井証券で高額の取引をする場合は、塵も積もれば山となるので、
意識した方がいいポイントになります。
②投資信託
販売手数料0円
SBI証券や楽天証券と同じですね。
元証券マンからすると相当すごいことなのですが、
ネット証券では当たり前になっていますね。
③米国株
約定代金×0.495%
約定代金が2.22米ドル以下は無料。上限22米ドル。
米国株の手数料体系は楽天証券と同じです。
ネット証券は基本的にこの水準で統一されています。
また、米ドル⇔日本円の為替手数料も無料です。
④新NISA
3商品(日本株、米国株、投資信託)の売買手数料が無料
新NISAであれば、
投資信託だけでなく、日本株や米国株も無料です。
総合的に見ると、
松井証券は国内株式の売買手数料以外は最低水準です。
松井証券の「手数料」の項目は、☆☆☆☆
1.2.ポイント還元率

松井証券ポイントという独自のポイントを貯めることができます。
松井証券ポイントは以下のようなポイントです。
- 等倍で交換:dポイント、アマゾンギフト
- 0.9倍で交換:PayPayポイント(100松井証券ポイント⇒90PayPayポイント)
3,000種類以上あるカタログギフトと交換することも可能。
現状は松井証券で投資してポイントがつくのは、
投資信託の残高ポイントサービスもしくはキャンペーンのみです。

ポイントがつくものの種類が少ないのは、
マイナス評価になってしまいます。
- 投信残高ポイントサービス
- キャンペーン
- 5月からクレカ積立が始まる予定
それぞれの条件は以下の通り。
①投信残高ポイントサービス
投資信託の平均保有金額×最大1%
商品毎にポイント還元率が異なり、
手数料の低い人気の投資信託のポイント還元率は以下の通りです。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):0.028%
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):0.0175%
この2つはSBI証券や楽天証券と比べて同水準。

各社競い合っているので、
同じくらいに設定されていますね。
残高があるだけで貰えるポイントですが、
毎月エントリーする必要があるので注意しないといけません。
②キャンペーン
- 新規口座開設:200ポイント
- NISA口座開設+クイズに正解:2,000ポイント
- クレカ積立プレデビューキャンペーン:最大18,000ポイント(還元率は6.0%)
- 米国ETFデビュー応援キャンペーン:最大1,000ポイント
など、その時々に行われているキャンペーンがあります。
中でも、クレカ積立プレデビューキャンペーンは
最大ポイントが一番多く目を引きますね。
参加するためには以下の4ステップです。
- JCBクレカのオリジナルシリーズに新規入会
- キャンペーンにエントリー
- 投信積立を実施
- 条件達成で最大18,000ポイント(還元率は6.0%)

クレジットカードさえ作れば、
割と簡単にポイントがたくさん貰えそうですね!
実はそんなことないんです。
4つ目の条件というのが、
- 米国株(米国ETF・ADR含む)を500ドル以上買付:2.0%
- 松井証券にNISA口座を開設:2.0%
- スイープ入金設定を「あり」に設定:1.0%
- 松井証券にiDeCo口座を開設し、投資信託お客様サイトでiDeCo口座情報を登録:1.0%
これを①から順番に達成することでポイント還元率が上がっていきます。
つまり、
前提として毎月米国株を7.5万円程度購入していないといけません。
毎月投信積立に加えて、米国株を購入して、
NISAとiDeCo口座を開設する。

正直条件はかなり厳しいです。
③クレカ積立(2025年5月スタート予定)
JCBのカード投信積立することで最大7%還元(Oki DokiポイントはJCBのポイントです。)
- Oki Dokiポイントのつく通常サービスは永続
- 松井証券ポイントのつく増量CPは最大3ヶ月


※松井証券公式HPより引用
2024年2月現在はないんですが、
クレカ積立が5月から始まる予定です。
- 通常のJCBカードで月5万円以上他で使用していれば0.5%
- プレミアム券種で月5万円以上他で使用していれば1.0%
それに加えて、各人3ヶ月間は、
ポイント還元率が最大+6.0%になるキャンペーンが行われる予定です。

あれ?6.0%さっきも見たような?
その通りです。
クレカ積立プレデビューキャンペーンと同じ還元率で、
条件も以下の通りで同じになります。
- 米国株(米国ETF・ADR含む)を500ドル以上買付:2.0%
- 松井証券にNISA口座を開設:2.0%
- スイープ入金設定を「あり」に設定:1.0%
- 松井証券にiDeCo口座を開設し、投資信託お客様サイトでiDeCo口座情報を登録:1.0%
実際に条件を達成すれば驚異の還元率ですが、
達成するのがやや難しい上にプレデビューを合わせて6ヶ月が最大になっているのが微妙。
松井証券のポイント還元率については、
- ポイントがつく種類が少ない
- 条件達成が難しい
などから厳しめの評価になります。
松井証券の「ポイント還元率」の項目は、☆☆
1.3.商品の豊富さ

松井証券で扱っている商品は、
日本株・IPO・米国株・投資信託・FX・先物オプション・など。
大体の商品は揃っているのですが、
金・プラチナ・国債・社債などがない点は少し気になります。
主要な銘柄数に関しては、
- 投資信託:約1,900銘柄
- 米国株式:約4,900銘柄
定番商品からマイナーな商品まで広く揃っています。
ちなみに、SBI証券はこちらです。
- 投資信託:約2,600銘柄
- 米国株式:約5,200銘柄
松井証券はSBI証券に比べるとやや少なく見えますが、
投資する可能性のある投資信託や米国株はほぼ揃っている印象です。
ここまでの内容から、
松井証券の「商品の豊富さ」の項目は、☆☆☆☆
1.4.その他の特徴

大事な3つのポイント以外で、
実際に使っているお客様の口コミ等から松井証券の特徴を紹介します。
- MATSUI Bankが便利
- 少額でFXが利用できる
- IPO引受数がトップクラス
①MATSUI Bankが便利

※松井証券公式HPから引用
松井バンクという松井証券独自の銀行サービスが使えます。
メリットは以下の4つです。
- 入出金が即時・無料で便利
- 普通預金金利が円0.31%・ドル2.0%で高水準
- ATM引出・他行振込が毎月5回まで無料
- スマホデビット(銀行引き落とし)で使えば1%還元
先ほど「投信積立キャンペーン」で出てきたスイープ入金設定は、
このMATSUI Bankと連携させることを指します。
②少額でFXが利用できる

※松井証券公式HPから引用
松井証券の大きな特徴の1つが、FXに力を入れていることです。
- 手数料が安い
- サービスが豊富
こういった基本的な特徴もありますが、
一番の特徴は1通貨単位から取引できることです。

1通貨単位って何ですか?
例えばドルの取引で考えてみると、
〇通常は1,000通貨=1,000ドルが最低
⇒約15万円必要。
〇松井では1通貨=1ドルが最低
⇒約150円で利用できる。
このように小さな金額で取引ができるということです。
FXメインじゃない人も、
投資信託や国内株式の取引のついでに気軽にできるのがメリットです。
③IPO引受数がトップクラス

※SBI証券決算資料から引用
IPOとは、新規上場株のことで、
上場してすぐ売った場合の勝率は過去5年間で75%以上を誇ります。
そんなIPOは全ての証券会社が取り扱えるわけではなくて、
証券会社で取り合って、勝ち取った会社だけが取り扱える商品。
その勝ち取った数(2024年度上半期)というのが上の図になります。
松井証券はネット証券の中で3番手で、
証券会社全体から見ても5番という引受数です。

なんで引受数が多いと良いんですか?
IPOという商品はその勝率の高さと数の少なさから、
ネット証券では基本的に抽選で買えるかどうかが決まります。
引受数が多いということは、
それだけ抽選に挑戦できる回数が増えるということ。
松井証券に口座を持っていれば、
IPOに挑戦できる数がかなり増えるのでメリットです。
1.5.松井証券の総合評価

松井証券の評価をまとめると、
- 手数料 :☆☆☆☆
- ポイント還元率:☆☆
- 商品の豊富さ:☆☆☆☆
手数料と商品の豊富さに関しては、
ほぼ完璧と言える水準なので不満を持つことは少ないと思います。
しかし、ポイント還元率は、
JCBカードをよく使っていて、
毎月投資信託の積立と米国株の購入を行う予定の人
に限ると業界でもトップクラスですが、
それ以外の人だとちょっと物足りないレベルでした。
その他の項目である、
- MATSUI Bankが便利
- 少額でFXが利用できる
- IPO引受数がトップクラス
これらは評価を上げる要因になっています。
2.まとめ

今回は松井証券がどうなのかを元証券マンの目線で評価しました。
結論は、
松井証券は2社目にはオススメ
本音で言うと、最初の1社目は、
SBI証券や楽天証券の方が良いかなという印象です。
しかし、
- FXを少額で利用したい
- IPOを当てたい
こういった人にとって、
2社目としてかなりオススメの証券会社になります。
特にIPOを当てたい人は、
引受数の多い証券会社の口座を複数社持っておくことは必須です。
既にSBI証券か楽天証券で口座を持っている人は、
- マイナンバーカード
- 通知カード+本人確認書類
どちらかを用意してこちらから口座開設してくださいね⇒松井証券
まだ証券会社を開設していない方はぜひ以下の記事を先に読んでください。
SBI証券の記事はこちら。
⇒【元証券マン監修】SBI証券はどうなのか?手数料やポイント還元率を徹底解説
楽天証券の記事はこちら。
⇒【元証券マン監修】楽天証券はどうなのか?手数料やポイント還元率を徹底解説