- 証券投資
- 資産運用
- 資産形成
これらの言葉たちは、
同じような場面で使われるのになぜか使い分けられます。
何となく前から気になってました!
そういう方も多いのではないでしょうか?
今回はこれらの言葉たちの意味と、
金融のプロはどう使い分けているか?
それぞれ解説します。
1.証券投資・資産運用・資産形成の違い
- 証券投資
- 資産運用
- 資産形成
似ているこれらの言葉たちは、
実際に調べてみると、
それぞれ以下のような意味を持ちます。
1.1.証券投資の定義
辞書などから引用した定義は以下の通りです。
①利益を得る目的で、事業に資金を投下すること。出資。
広辞苑(投資の定義)
②比喩的に、将来を見込んで金銭を投入すること。「息子に―する」
③元本の保全とそれに対する一定の利回りとを目的として貨幣資本を証券(株券および債券)化すること。「―家」
④経済学で、一定期間における実物資本の増加分。資本形成。
一定の利回りを予定して、国債・社債・株式などの有価証券を買い入れること。
精選版 日本国語大辞典
直接投資と間接投資とに分かれる。
これらからまとめると、
証券投資=一定の利回りを期待して、資産を金融商品(有価証券)に投じること
言葉通りですね。
「証券に投資する。」という言葉を分解したらこの通りです。
1.2.資産運用の定義
辞書などから引用した定義は以下の通りです。
自分の資産を増やす目的で、貯蓄したり、投資したりすること。
デジタル大辞泉
また、銀行や投資信託会社などの機関投資家が集めた資金を債券や不動産などに投資すること。
資産運用とは、自分の持っているお金(資産)を
日本証券業協会
預貯金や投資に配分(運用)することで効率的にふやしていくことをいいます。
これらから私の言葉でまとめると、
資産運用=資産を銀行や証券会社に預けて増やそうとすること。
あえて「貯蓄」という言葉は外しました。
昔は8%くらいの金利がついていた時期もあり、
その頃であれば「貯金で運用」と言うこともできていたので、
その名残で貯蓄という言葉も残っているんだと思いますが、
現在の金利でお金を増やすというのは不可能です。
明確に貯蓄と運用は分かれてしかるべきなので、
言葉の意味から正しく表現するために貯蓄は外しました。
この「お金を増やす」というのがキーワードになります。
1.3.資産形成の定義
辞書などの定義を載せたかったのですが、
明確に載っているものが見つかりませんでした。
なので銀行HPからの引用を3つ載せます。
資産形成とは、貯蓄や投資を活用しながら資産を築いていくことです。資産形成と聞くと、まとまった金額を投資することをイメージするかもしれませんが、銀行の預貯金でコツコツ貯蓄していくことも資産形成の一環です。
資産形成は「ゼロから資産を築いていく」というケースも含まれており、一般的には長い時間をかけて資産を積み上げていきます。
三菱UFJ銀行HP
資産形成とは、将来のために必要な資産を増やすことです。子どもの教育費や老後の生活費の確保などを目的に、お金を増やします。
資産形成というと、一般的に投資のイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、将来に向けてお金を増やすという意味では貯蓄も資産形成といえます。
足利銀行
「資産形成」とは、現金や株式、不動産などの資産を効率的に増やしていく取り組みのことです。余剰資金を貯蓄することも資産形成の一種ですが、多くの場合、株式投資などの積極的な「資産運用」とセットで考えます。
オリックス銀行
これらを参考に私の言葉でまとめると、
資産形成=自分の資産を積み上げていく行為全般を指す。
資産形成は、貯蓄や証券投資など
自分の資産を積み上げていく行為全般を総称して使われる言葉ですね。
- 辞書になかなか載ってない
- 証券会社ではあまり使わない
- 「資産形成 意味」で検索すると銀行ばっかりでてくる
これらから推測するに、
資産形成という言葉は資産運用に対抗して銀行が作った言葉だと推測できます。
- 貯蓄から資産運用へ
- 貯蓄から投資へ
こういった言葉が流行りつつある中で、
銀行などの「資産運用」がメインではない金融機関の対抗策として、
全部まとめた資産形成という言葉を生み出したというのがしっくりきます。
実際、資産形成という言葉を使うのはほぼ銀行です。
銀行のメインはやはり今でも「貯蓄」なので、
それを否定せず、新しく始めた投資信託なども含めた概念として、
資産形成を勧めているわけですね。
1.4.結論
- 証券投資=一定の利回りを期待して、資産を金融商品に投じること
- 資産運用=資産を銀行や証券会社に預けて増やそうとすること。
- 資産形成=自分の資産を積み上げていく行為全般を指す。
これらから読み取れることは、
- 証券投資と資産運用はほぼ同じ
- 資産形成という大きな枠の中に、証券投資と資産運用が含まれる
証券投資の「一定の利回りを期待して」というのは、
結局お金を増やそうとしているということなので、
証券投資=資産運用ということができます。
それに、貯金や節約、保険なども含めた大きな概念が、
資産形成になります。
1.5.金融のプロの使い分け
ここまで色々と説明してきましたが、
実際に金融のプロがどう使い分けているのかを最後に説明します。
ぶっちゃけると、
金融のプロでも、明確には使い分けていない人の方が多いです。
元同期や上司に聞いても、
- そもそも違いを知らない人
- 気にしていない人
- 何となくで使い分けている人
がほとんどでした。
つまり、気にしなくて良いということです。
私は使い分けていましたが、
気にするレベルではなかったようです。
ただ、正しい知識として、
ここまでの内容自体は覚えておいてほしいです。
しかし、金融のプロでも使い分けてないということは、
世に出ている情報もそこまできっちり使い分けられていないということ。
この人は資産形成と言ってるということは、
資産を増やしていく行為全般のことだな!
と決めつけるのではなく、
この文脈ではどちらかというと証券投資の意味で使っているのかな?
と柔軟に捉えるようにしてください。
2.まとめ
今回は証券投資・資産運用・資産形成の違いについての記事でした。
結論は、
- 証券投資と資産運用はほぼ同じ
- 資産形成という大きな枠の中に、証券投資と資産運用が含まれる
しかし、お伝えしたとおり
金融機関に勤めている人たちでも使い分けない場合が多いです。
正確に覚えつつ、
この場合はどういう意味で言っているのか考えるようにしてくださいね!
他にも記事を書いているので、お時間あれば読んでください。
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